「津波で写真はゼロ」 似顔絵塾に長蛇の列【岩手・大槌発】

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似顔絵を描いてもらう子どもたち=大槌町安渡小学校で
似顔絵を描いてもらう子どもたち=大槌町安渡小学校で

(15日大槌発=ゆいっこ花巻支部;増子義久)

   「津波で家が流されてしまい、写真が1枚も残っていない。宝物にします」―15日、花巻市在住の画家、滝田恒男さん(69)が安渡小学校の避難所で開いた「似顔絵塾」に長蛇の列ができた。子どもたちからお年寄りまでその数は何と62人にのぼった。中には携帯電話に残された、今は亡き肉親の写真を絵に描いてもらう被災者も。


   同小学校に避難している佐藤芳隆さん(74)と静江さん(69)夫妻は間一髪で命は助かったものの、着のみ着のままで投げ出された。「家がどこに流されたのかも分からない。思い出の写真もゼロ」と夫妻。墨汁でさっとデッサンし、パステルで色付けすると若々しい顔が透かし絵のように現れた。「こんなに美人さんになって恥ずかしい。写真代わりに一生の宝物にします」と静江さんはニッコリ。


   「こんなに希望者が多いとは思わなかった。携帯電話の中の面影を絵に託す人もあり、被害の大きさを思い知らされた。少しでも喜んでもらうことができて感謝している」。理容店を営むかたわら、滝田さんは宮沢賢治をテ-マにした画集「風の巡礼」でイーハトーブ奨励賞(1994年)を受賞している。「賢治さんの気持ちを分かち合いたい」と一枚一枚に「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」と書き入れた。

「わ~い、私とそっくりだよ」と喜ぶ小学生
「わ~い、私とそっくりだよ」と喜ぶ小学生


ゆいっこは民間有志による復興支援組織です。被災住民を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資やボランティアの受け入れ、身の回りのお世話、被災地との連絡調整、傾聴など精神面のケアなど行政を補完する役割を担っていきたいと考えています。
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