百貨店や紳士服専門店には痛しかゆし
クールビズは小泉政権時代の2005年、小池百合子環境相が提案。当初はだらしない感じのおじさんも目立ったが、ノーネクタイでも首もとに白い肌着が見えない「Vネック」型肌着も定着するなど、年を追うごとにこなれてきている。
もともとの目的は二酸化炭素(CO2)排出量を削減して地球温暖化を食い止めるため、冷房を28度に設定し省エネを励行しようとの狙いだった。しかし今年はCO2排出がほとんどない東電の福島第1、第2原発が使えない半面、CO2出しまくる火力発電が全開で、地球温暖化対策という本来の趣旨より、電力不足対策という緊急対応が前面に出る。
一方、小売業界、特に百貨店や紳士服専門店には痛しかゆしだ。事実上、1年の半分(5~10月)がクールビズになることで、半袖シャツやポロシャツが売れたとしても、スーツよりかなり単価が低いことに「頭を抱えている」(百貨店大手)。利幅の大きいネクタイも年に半分しか使われなければ、各方面に打撃を与えそうだ。