「フェイスブック帝国」実現は時間の問題 会員数、サービスも拡大、広告急増

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ディスプレイ広告の分野でダントツの1位

   大勢の人が集まるところは、当然ながら広告の一等地になる。フェイスブックは初期段階でマネタイズに苦労したが、今ではバナーなどを含むディスプレイ広告の分野でダントツの1位になっている。2010年10-12月期ではフェイスブックが全ディスプレイ広告の25.8%を占め、2位のヤフー(9.7%)は大きく水をあけられている(コムスコア調べ)。今年は売上高でもフェイスブックが躍進しそうだ。調査会社のeマーケッターは、フェイスブックのディスプレイ広告を含む全広告収入が40億ドルになると予想する。とは言え、検索連動型広告の王者グーグルの2010年度の総広告収入は約282億ドルだったので、フェイスブックはまだその足元にも及ばないのが現実だ。

   先例のない巨大なサイトになったフェイスブックだが、現状に満足する兆候はない。2010年だけでも位置情報サービスの「フェイスブック・プレイシズ」、地域特定のディール(割引)情報を提供する「フェイスブック・ディールズ」、電子メール、携帯メール、チャットなどをひとつにまとめた「フェイスブック・メッセージズ」などを開発し、スマートフォン経由のサービスにも力を注いでいる。自宅でも外出先でも我々のインターフェイスになることがフェイスブックの目標なのだろう。それはまた我々の一挙一動を監視することが可能になることを意味している。「フェイスブック帝国」の出現は時間の問題なのかもしれない。

(敬称略 在米ジャーナリスト 石川幸憲)

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