「もんじゅ」大いなる不安 トラブル続出に機器落下引き上げ

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作業中に地震が起きた場合は作業を中断

   このため、中継装置だけを引き上げることは断念。炉の上ぶたを一部撤去した上で、炉内中継装置の外側にある「燃料出入孔スリーブ」と呼ばれる備品ごと引き上げるという方針が決まっている。なお、このスリープは、構造上は引き上げることは可能だとされるが、設計時は引き上げることは想定されていない。原子炉容器内のナトリウムの扱いにも細心の注意を払う必要があり、大規模な復旧作業を余儀なくされている。

   このような状況に、悲観的な見通しを示すネット利用者も多い。例えば、「Yahoo!知恵袋」では、

「いずれ液体ナトリウムの循環配管に異常が見つかり、それでも修理できないで・・・・。つまり、分解・取出しが成功しないと関西圏は時間未定のとんでもない時限爆弾を抱えることになるのです。もちろん分解・取り出し作業が失敗して、その場で過酷事故になる可能性もあります」

という答えが「ベストアンサー」に選ばれている。

   原子力機構は、メーカーの工場で回収用の装置を製造。作業手順を確認するなど、作業員のトレーニングも進んでいる。

   これを受けて、外部有識者でつくる検討委員会が11年5月10日開かれ、「技術的条件が整った」として引き上げ作業の開始を了承。作業中に地震が起きた場合は作業を中断すること等も確認した。原子力機構は、6月にも引き上げ作業を始めたい考えだ。

   引き上げ作業が完了し、炉心中継装置が復旧したことを前提に、11年度中に第2段階の性能試験にあたる「40%出力試験」を目指している。

   だが、福島第1原発の事故で地元の不安感は、これまでよりも大きく、福井県の西川一誠知事や敦賀市の河瀬一治市長は、新たな津波や地震への対策を求めており、運転再開までにはさらに時間がかかる可能性もある。

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