夏の高校野球中継にも波及か 浜岡停止で逼迫する電力事情

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   東日本大震災にともなう首都圏の電力不足に続いて、中部電力が運転中の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転停止を正式に決めた。これを受けて、中部電力が東京電力に対して行ってきた電力の融通もストップする予定だ。この余波が、夏の大型テレビ番組に及ぶとの懸念も出始めている。具体的には、高校野球中継や、「24時間テレビ」などだ。現段階で各局の方針は固まっていないものの、今後、新たな対応を迫られる可能性もありそうだ。

10年の決勝戦は視聴率20%

   夏場の電力需要のピークにあたるのは、クーラーの利用が増える13時~16時だとされる。この時間帯に開催されるのが、夏の高校野球だ。全国大会が行われる甲子園球場(兵庫県西に宮市)は関西電力の管内にあり、一見、浜岡原発停止は影響しないように見える。だが、関電の発電量の約5割が原発によるもので、国内の電力会社で最も原発への依存度が高い。さらに、11基ある関電の原発のうち3基が定期検査中だが、震災の影響で運転再開のめどが立っていない。夏には、さらに3基が定期検査入りする予定で、関電には余力がほとんどない状態だ。

   このため、全国の家庭テレビとクーラーの電源を入れることになる、高校野球の中継に影響が及ぶことは必至とみられる。例えば10年の決勝戦の視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ)は、NHK教育(13時~13時50分)が12.9%、NHK総合(13時50分~15時40分)が15.9%、テレビ朝日が4.2%。NHKと民放をあわせると、消費電力ピークを迎える時間帯に、20%近い視聴率を記録している。

   11年の春の選抜高校野球では、冬~春場の電力ピークにあたる夕方の電力消費を減らすことを目的に、NHKは東北・関東地区への中継を原則16時までで打ち切る対応を行っている。だが、春と夏とでは消費電力のピークは異なるため、新たな対策が必要になりそうだ。松本正之会長は記者会見で、放送時間の見直しを含めて検討することを明らかにしている。

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