日月警備保障「現在、警察に全面協力」
それにしても、警備会社が車で現金護送するのはよく知られた姿だが、6億円もの現金を営業所などで一時保管するのは一般的なのか。全国警備協会(東京)によると、現金輸送・護送の分野は機密性が高く、警備会社と顧客側が個別に条件(警備員数など)を交渉しており「対応は各ケースでバラバラ。実態はよく分からない」という。
今回被害にあった約6億円の大半は、東京中央郵便局から5月11日(犯行は12日未明)に同営業所へ運び入れられ、多摩地区の各郵便局の貯金引き出し用などに12日に護送されるはずだった。週末対応などのため火・木曜の現金護送額は普段より多めになるとの情報もある。5月12日は木曜だ。
日本郵政グループの郵便局会社の担当者は「警備を専門とする会社を信頼して任せていた。事件は想定外」とコメントした。日月警備保障は、以前から同様の現金護送業務を受け持っているという。現金護送の仕事は「全国的にはいろいろな会社と契約している」としている。
日月警備保障は、「警備がずさんだったのでは」との指摘についてどう受け止めるのか。担当者は、「ご迷惑をおかけしていることを心からお詫び申し上げます」とした上で、「現在、警察に全面協力という対応をしております」とするコメントを公表するにとどめた。窓の鍵の故障放置などについては「事実関係を確認中」としている。
日月警備保障では、とめていた現金輸送車から現金がなくなる事件が03年(1億5000万円)と08年(6900万円)に起きている。いずれも「郵政」関係の現金で、2件とも未解決だ。