トヨタ揺れる「国内重視」 グローバル競争にどう立ち向かう

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世界販売台数の首位陥落必至か

   円高に加えて、トヨタの「海外増産」の背中を押すのが、震災後の電力不足だ。トヨタは「できる限り早く通常どおりの生産体制に戻すよう、頑張っているところ」(広報部)と話し、豊田章男社長も「6月をめどに稼働率を7割程度まで回復できそう」と、稼働率を前倒しでアップできる見通しを示した。

   しかし、生産能力が回復したとしても、原発の停止やその後の電力料金の値上がりなどで、生産コストが上昇するのは目に見えている。円高と生産コストの上昇が重なれば、世界市場での価格競争では勝負にならない懸念がある。

   トヨタは東日本大震災による国内の減産で、2011年の世界販売台数が700万台にとどまる見通しだ。10年の世界販売台数は841万台と3年連続で首位だったが、陥落は免れそうにない。

   それでも豊田章男社長は、「震災を通じて日本のものづくり底力を感じた。あくまでも日本での生産にこだわりたい」と、国内生産を重視する姿勢を示した。「国内生産重視の旗印を下ろしたことはない」(広報部)と強調する。

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