お茶の葉から規制値超えセシウム なぜ今ごろ300キロ離れた神奈川で

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「飲料水としては問題ないレベル」

   ミネラルの中には、天然のカリウムがあるが、セシウムは似た性質があるという。つまり、セシウムは、カリウムと同様に、新芽が出ればそこに流れてしまうというわけだ。神奈川県によると、お茶の新芽は、4月半ばから出てきた。

   小松菜やホウレンソウについては、この研究者は、葉がセシウムを吸収したものの、濃縮されなかったために、検出されなかったのではとみている。

   とすると、周辺産地のお茶の葉も放射性物質に汚染されている可能性があるが、どうなのか。

   西隣に位置する規模日本一の「静岡茶」については、静岡県は2011年5月11日、サンプルが規制値の500ベクレルを下回ったと発表した。御前崎市で2日採取の茶葉を検査したところ、セシウムが82.9ベクレルだったという。静岡は、神奈川よりも原発から離れているため、比較的汚染が少なかった可能性がある。

   一方、神奈川より原発に近い「狭山茶」については、埼玉県の生産振興課では、これまで検査しておらず、今後検査する方向で準備しているとした。厚労省が11日、14都県に茶葉の検査強化を要請したのを受けたものだ。検査しなかった理由については、「牧草検査などで規制値をはるかに下回っていたため、お茶も安全だと考えていました。新芽に放射性物質が濃縮されるという情報は知りませんでした」と説明している。

   神奈川県によると、茶葉から検出されたセシウム570ベクレルは、人体への影響に換算すると、0.0074ミリシーベルトになる。茶葉1キロ、製品にして200グラムのお茶を1年間毎日飲み続けると、年間2.7ミリシーベルトになり、人の許容量1ミリシーベルトを上回る。

   ただ、これだけ大量に飲むことは通常は考えられない。また、前出の研究者は、お茶1グラムを100ミリリットルのお湯で出すと、飲料水としては問題ないレベルになるはずだと指摘する。そのうえで、「飲料水レベルかお茶製品レベルか規制の基準がありませんので、それを明確に決めるべきでしょう」と言っている。

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