ウィキリークスによる米外交文書流出で一躍有名になったカダフィ大佐の金髪元看護婦は、故郷のウクライナに一時帰国していたが、今度は北欧ノルウェーに出現し亡命を希望しているという。
リビア政府の手先による殺害脅迫がその理由とされるが、同国の有力タブロイド紙『VG』はその電子版(2011年5月10日付)で移民当局はガリーナ・コロンスカ(38)の亡命申請を却下したと伝えた。だが、直ちに国外追放になるのではなく、司法省が「ノルウェーの国益に関与する重要な情報を持っている」と判断すれば、同国での長期滞在が許されるようだ。
極秘情報を持っていることは確実?
同紙の情報源によれば、コロンスカが極秘情報を持っていることは確実だという。ノルウェーは、リビアで空爆を実施している北大西洋条約機構(NATO)の発足時からのメンバーであり、カダフィ大佐の内密情報は国益級の価値があると見なされるわけだろう。
昨年末に暴露された在トリポリ大使館からの公電のなかで「豊満な金髪看護婦」コロンスカは、カダフィのお気に入りで外遊にも常に同伴すると記述されていた。
「カダフィ氏は長年交際があるウクライナ人看護婦ガリナさんに頼り切っており、彼女はセクシーで金髪だ。カダフィ氏はこの看護婦と恋仲であるとされ、リビア側はビザを発給する米側に対し、この看護婦が同行しなければカダフィ氏は外遊できないと念を押したという」
リビア情勢が悪化するなかで、コロンスカは2月にウクライナに帰国したあと、マスコミからの取材攻勢を避けるために3月にノルウェーの首都オスロに移ったようだ。現在オスロの移民センターでノルウェー政府の決断を待っているらしい。
(在米ジャーナリスト石川幸憲)