東電への「計100万キロワット融通」困難?
では、結局夏場の電力供給は足りるのか。7月末の需要見込みは5500万キロワット。とすると300万キロワットが不足する計算になる。東電では、ガスタービン新設や被災火力発電所の復旧などで見込み(5200万キロワット)を上回るよう努力をするとともに、「節電のお願い」で乗り切りたい考えだ。
海江田万里・経済産業相も4月28日、計画停電や大規模停電を避けるため、企業と家庭ともに2010年比で15%減とする夏の節電目標を発表している。
一方、5月9日には中部電力が菅直人首相の要請を受け入れる形で浜岡原発の運用停止を発表した。中部電は、東電への電力融通を止める方針も示した。東電の夏場電力供給力に影響は出ないのか。
東電の説明では、7月末の予定供給力(5200万キロワット)には、中部電だけでなく「西日本の電力会社」から計100万キロワットの融通を受けることも計算に入っている。中部電以外の電力会社に「お願い」し、計100万キロワットの融通枠は確保したいとしている。
しかし、検査で停止中の原発の再開をめぐっては、「西日本の電力会社」でも見通しがたっておらず、東電への「計100万キロワット融通」は、安泰とはいかない。夏を乗り切れるかどうかはいまだ不透明だ。