「処分しないで!」がれきに埋もれた石碑【岩手・大槌発】

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

(ゆいっこ花巻支部;管理栄養士 川端理香日記)

5月4日

県議会議員の高橋さんのブログをみて、必要な物資を直接渡したいと連絡がありました。
関東在住の大槌町安渡出身の方からです。

何度かメールをやりとりするうちに、彼女が妹と同級生で、しかも同じ安渡2丁目出身ということがわかりました。
こんな小さな町なのに、震災がなかったらおそらく会うこともなかったと思います。
彼女は調理で不足していたアルミホイルや、あったら使うでしょうからと消毒液をもってきてくれました。
彼女も実家は津波で流されています。
同様の状況で「生活がきつくなった…協力したいけれど、自分の家のことで精一杯…」。そんな声をきいたりするのも事実。
でもやっぱり、同町の人同士でも助け合いたい。


避難所の安渡小学校の校庭で、妹も含め3人で少し話すつもりが、気づくとたくさん話していました。たぶん、彼女をむかえにご両親がいらっしゃらなければ、まだまだ話していたと思います。
年齢でいえばちょうど小学1年生の彼女と6年生の私。
小学生のままだったら会話にならない年の差も、ある時を過ぎると全く気にならなくなるもので、そして町を想う気持ちは一緒です。


ただ、未だ家族や仕事の関係で、大槌に来れずにいる県外在住者もいます。
心配で悩んだり、思うように自身が動けないことに苛立ちを感じることもあるかもしれません。
でもその想いは自分自身ではなく、被災地にむけてほしいと私は思っています。
避難所で生活している人も内に籠るのではなく、支援を求め、この環境から一日も早く抜け出したいと願っています。
離れていても想いと想いを結び付け、それを声にする。
そういう活動も「ゆいっこ」としてしていきます。

5月5日

安渡小学校の屋上で、朝から数名の自衛隊さんが一生懸命動いています。

たくさんの大小さまざまなこいのぼり。
その中のこいのぼりに、子どもがしがみついているものがありました。
「金太郎だよ」
変なこいのぼりがあると騒いでいた子どもに教えているお母さんの言葉に、思わず反応してしまいました。


さらに今日は、安渡小学校にて罹災者証明の発行が行われるということで、いつも以上に校庭がにぎやかです。
証明書の発行は先着150名に午前中受付の整理券が配られましたが、1時間程度で締め切られるほど!
その状況をみて、午後はなんとか整理券を手に入れたいと、2時間も前から並ぶ人までいました。
罹災者証明があれば、保険をはじめ多くの手続きをすることができます。


これまで役場にいっても何時間も待たされて、なかなか発行されなかったことから、本当に多くの人が待っていたことがわかります。
1度に20枚も申請する人もいました。
またその証明書の発行の際に、所有する自動車や船舶などが被害にあった場合、破棄の有無も確認されます。
ちなみに、普通自動車と軽自動車は届け出の連絡先が違うらしく、そこは何度も確認していました。


そういった撤去話をききながら、安渡地区の瓦礫は今月中にだいたい撤去が終了する予定であることを知り、
「町の中に色々石碑があるけれど、瓦礫だと思って処分されるかも…」
と両親が話していたのを急に思い出し、心配になり避難所の坂をくだって瓦礫の撤去作業をしている自衛隊さんのところへ走りました。
事情を説明し、実際に私がわかる範囲の石碑は自衛隊さんに見てもらい、残してもらうように頼みました。
瓦礫の撤去が終わり、後から石碑のことに気づいて、混乱していたから捨ててしまったでは理由になりません。
安渡の歴史を刻むものを、生きている私たちが守らなくてはならない。
生きているからこそ、やるべきことがあると思います。



ゆいっこは民間有志による復興支援組織です。被災住民を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資やボランティアの受け入れ、身の回りのお世話、被災地との連絡調整、傾聴など精神面のケアなど行政を補完する役割を担っていきたいと考えています。
岩手県北上市に本部を置き、盛岡、花巻など内陸部の主要都市に順次、支部組織を設置する予定です。私たちはお互いの顔が見える息の長い支援を目指しています。もう、いても立ってもいられない───そんな思いを抱く多くの人々の支援参加をお待ちしています。
■ホームページ http://yuicco.com/
■ツイッター @iwate_yuicco

姉妹サイト