東京電力「水素は排気筒から外へ出す仕組み」
だが、東京電力の説明は違う。格納容器からベントによって排出された水素ガスの行き場について同社広報に聞いたところ、「配管を通って排気筒から外気に出されます」という。同社ウェブサイトによると、原発の建物内で使われた空気は放射性物質を抑える装置やフィルターをくぐらせた後、排気筒から外に放出されると説明されている。念のため、建屋内に水素を排出する仕組みかを確認したが答えはノー。こうなると、ハンソン氏の主張とは食い違う。
しかしこの説明では、なぜ建屋内に水素が充満したのかが分からない。東京電力でも「原因を究明中」と話しており、結論にこぎつけていない模様だ。地震による原発内の電源喪失が、排気筒の機能に影響したのかについても聞いた。すると、現時点で分かっているのは、停電によりベントは手動で行わざるを得なかったということだけで、電源が失われたことと建屋の爆発の因果関係も含めて経緯は検証中であると繰り返した。