「浜岡原発」停止要請の評判 「国民はかえって不安」の社説も

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「日本が原発を否定したと受け止められる恐れ」

   一方、「津波対策の完成まで念のために止める考え方は理解できる」としながらも、「突然の発表は国民にかえって不安を募らせたのではないか」と懸念を示したのは日本経済新聞だ。

   さらに丁寧な説明が必要だとして、「これでは、浜岡原発を緊急に止めなくてはならない理由があり、政府が隠している印象を国民に与えかねない」と強い不信感も表している。科学的な事実を基礎にした議論の必要性を訴えつつ、原発停止に伴う電力不足による産業界への「厳しい制約」についても言及している。

   産経新聞の「主張」欄は、「『熟慮』があったとはみえない」「唐突な決断」と菅首相を批判した。浜岡原発と東海地震との関係について「立地上の特異性は以前から指摘されていた」「国と電力会社と住民は、これらを十分に理解したうえで、安全な運転について合意してきた」として、停止要請について、「あまりにも突然で、これまでの合意形成の経緯をも否定するものになりかねない」と懸念を示している。

   また同欄では、「原発事故の深刻さをパフォーマンスに利用したような思いを禁じ得ない」とも書いた上で、諸外国から「日本が原発を否定したと受け止められる恐れがある」とも指摘している。

   浜岡原発の地元では、川勝平太・静岡県知事が「英断に敬意」とコメントを発表する一方、同県御前崎市の石原茂雄市長は5月7日の会見で、「浜岡だけでなく、すべての原発を見直すべきだ」と不満をもらした。国の方針には従うとしつつも、「もう少し地元の意見をきいて反映してほしかった」とも話した。

   インターネットの個人ブログや配信された関連ニュースのコメント欄を複数みると、電力不足への懸念や菅首相に対する「パフォーマンスだ」との批判もあるが、浜岡原発の停止要請について歓迎する声も相当数寄せられていた。

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