震災で発売延期プリウスアルファ パンフレットなしで受注2万台超

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   大地震は自動車メーカーの新型車導入計画をも大きく狂わせた。もし地震がなければいまごろ新しいハイブリッド車(HV)プリウスアルファは大ヒットし、経済ニュースを賑わせていただろう。それでもファミリー層を中心に待望されていたプリウス派生ミニバン、プリウスアルファの人気は高い。5月中旬に延期された発売を前に、受注は早くも2万台を超えた。

   プリウスアルファはプリウス初の派生車。実はレクサスCT200hにはプリウスのハイブリッドシステムがそのまま使われ、プリウスという経営資源を多彩に活用する戦略はすでにスタートしているが、プリウスの名を冠した派生車種はアルファが第一弾になる。

ファミリー層取り込みを狙う

   この新型HVは2列シート5人乗りと3列シート7人乗りが用意される。トヨタ全系列で販売し、これまでプリウスではカバーできなかったファミリー層を取り込む役割が期待されている。ガソリンエンジンのミニバン、ウィッシュに似た外観で価格は300万円から330万円となる。

   トヨタは2011年4月に発売を予定していたが、東日本大震災により生産活動が全面的にストップしたため延期。販売店は新型車を説明するパンフレットもないまま、納期も一切伝えられない状況で受注を取り始めたところ、早々に2万台を超える受注が集まった。

これまでの受注分で今年度内割り当ては埋まった?

   トヨタは震災によりサプライチェーンが被害を受けたため生産が通常に戻るのは11年11月以降との見方を示している。このため、新型のプリウスアルファの生産ピッチも上がらず、すでにこれまでの受注分で今年度内の割り当ては埋まったと見られている。ただ、納車は注文順となるため、HVミニバンが欲しいユーザーは納期が不明でも注文すると販売店は話している。

   ガソリン価格の高騰はHVにとって大きな追い風になる。アメリカでもプリウス人気が再燃し、生産が停滞しているために在庫不足になっている。プリウスアルファも、燃費のよいミニバンを求める子育て層の支持を幅広く集めるのは確実だ。販売店は「震災復興を支えるためにも、自動車生産の一日も早い回復を期待している」と話す。

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