カキやワカメ「復活」なるか 苦闘続く被災地の養殖業

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   東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた岩手県や宮城県の水産業。カキやワカメ、コンブといった名産品は、津波で養殖の設備が破壊され、再開が厳しい状況にある。

   漁業関係者は協業を推進し、チームワークで苦境を乗り切ろうと必死だ。

「カキ棚」流され稚貝育てられない

おいしいカキが食べられなくなる?(写真はイメージ)
おいしいカキが食べられなくなる?(写真はイメージ)

   宮城県は全国有数のカキの産地。東松島市や石巻市をはじめとした太平洋沿岸地域は、養殖が盛んだ。

   カキの養殖は、ホタテの貝殻にカキの幼生を付着させて「種付け」し、海の中につるしておく。こうしてできた「稚貝」を、栄養豊富な養殖場で育てるのだが、今回の震災による津波で、稚貝を育てていた「カキ棚」の多くが流されてしまった。

   これまで宮城産カキの稚貝は、北海道をはじめ全国のカキ養殖場に出荷されていた。カキの種付け作業は夏の初めの6月ごろからスタートする。しかし震災の影響で、三陸沿岸では稚貝を育てる設備は失われているため、今のままでは各地の養殖場にとっても、今シーズンは宮城から稚貝を入荷できないことになる。

   そうなれば当然、カキの出荷そのものが今後大きく減る恐れがあるため、養殖業者は対応に懸命だ。報道によると、北海道厚岸町や寿都町の漁協では、宮城から以前仕入れた稚貝を育てて「成貝」となったカキを、宮城に送り返すことを決めたという。宮城の養殖場で産卵させ、稚貝の養殖の復活を手助けするのが目的だ。また石巻市の一部養殖場では、カキの稚貝の1割が津波の被害から逃れて残っていることが判明したと伝えられた。養殖の盛んな広島県や三重県に向けて、年内の出荷の可能性を探っていると見られる。

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