私鉄でも暴力行為の件数が大幅増加
駅係員への暴力はここ数年、増加傾向にある。JR東日本八王子支社の発表(2011年4月20日)では、社員に対する暴力行為は2010年度に53件確認されており、3年連続で50件を超えた。そのうちの7割近く(36件)は19時以降の夜間に発生し、加害者の約7割は飲酒していたという。加害者の年齢別では多い順に、60歳代28%、50歳代21%、30歳代17%、40歳代15%だった。
豊田駅で起きた事例では、車内点検の際に寝ている客に声をかけたところ、暴言をはきかけられ、ホームに降車させられたあと顔面や後頭部を殴られた。全治5日の怪我だった。また、武蔵小金井駅では寝ている客を起こそうとしたら殴られ、八王子駅でも迷惑行為を注意したら殴られた。三鷹駅では客同士の仲裁に入ったところをやはり、殴られている。いずれも酔客だ。八王子支社では、警察直通通報装置を増やしたり、ガードマンによる巡回を強化したりして対応している。
日本民営鉄道協会の発表(2010年7月7日)でも、暴力行為の件数は2008年度が752件だったのに対し、2009年度には869件で大幅に増加している。暴力行為の多発を受けて2006年からは、同協会および大手民鉄16社、JR3社などが共同で暴力行為防止ポスターを駅構内や電車内などで掲出し、啓発を行ってきた。