「ハンカチ王子」が「半勝ち王子」になった
初登板のロッテ戦(17日)は5イニング4失点、楽天戦は6回3失点。最初は、普通なら負け投手の数字なのだが、打線の援護があった。「ハンカチ王子」にちなんで「半勝ち王子」と冷やかされた内容である。次は相手の下手な攻撃に助けられてKOを免れた感じだった。
ところが2勝。「巡り合わせがいい」「ツキがある」というのがそれ。投手のランクを分かりやすく分類すると(C)いい投手(B)打たれない投手(A)勝てる投手-となる。チームにとって最もいいのは(A)である。つまり結果。その意味で、現在の斎藤は「レベルAの投手」といえるのだ。これが野球の記録の不思議なところである。
「勝てるのは何かがあるから。それも実力のうちだ」
日本ハムの梨田昌孝監督をはじめ首脳陣は、そう見ている。勝ち星がつかなければ話題にもならないし、2試合11イニングで7失点では、むしろ二軍落ちの可能性もある。
かつてミスタープロ野球こと長嶋茂雄が2度目の巨人監督をしていたころ、桑田真澄に勝負どころの試合を託していた。甲子園の優勝投手という実績を評価していた。江川卓は勝負の試合で勝てなかったが、彼は甲子園では押し出し四球で負けるなど優勝に届かなかった。素質では断然、打たれない江川である。しかし、桑田は勝てる投手だった。