奈良県知事「原発むやみに増やしていいものじゃない」
統一地方選の前半戦、原発をかかえる4道県の知事選ではすべて、原発を容認してきた現職が当選した。新顔候補らが脱原発を訴える中、「万全の安全対策」や「見直し」を強調することで乗り切った形だ。たとえば、国内最多の14基の原発がある福井県の西川一誠知事は、従来通りの原子力産業との共存共栄路線を掲げ3選を果たした。こうした背景には、原発関連の交付金の存在があると指摘する声もある。
一方、すでに橋下知事と似た考えを示している知事もいる。浜岡原発をかかえる静岡県の川勝平太知事は4月22日、静岡新聞の取材に対し、安全対策に懸念があるとして「(浜岡原発)6号機の新設は認められない」と述べた。ただ、「国民は原発と共存するしかなく、不信の連鎖は避けたい」とも指摘しており、原発の存在には一定の理解を示している形だ。25日にも「現状での新設は難しい」と話している。
また、4月28日の会見で、奈良県の荒井正吾知事は「原発はむやみに増やしていいものじゃない」との考えを示した。27日の橋下発言に呼応する発言にも聞こえる。奈良県は関西広域連合には入っていない。
関西電力の八木誠社長は4月27日の会見で、橋下発言について、発言の趣旨を確認した上で対応したいとの考えを示した上で、「より一層の信頼性向上に資する対策を実行していく」と理解を求めた。