原発作業員の求人がハローワークで紹介されている。時給は1万円。ただ、1日の労働は2時間だ。応募者は続々と現れ、2日で5~60人に達した。
防護服を着た、体力を使う作業
求人は千葉県の人材派遣業者「クロテック」がハローワークに出している。募集要項によれば、時給1万円の仕事の中身は、
「福島原子力発電所復興業務。原子力発電所の外周業務。防護服を着て、規定の時間内での作業となります。体力を使う作業となります」
勤務は交代制で、労働時間は8~17時の間の2時間。そのため、日当は2万円となる。雇用形態は試用期間3か月の正社員で、学歴、経験、資格は不問となっている。仮設住宅に住み込んでの仕事となるが、住宅費や食費は会社が負担するという。
防護服を着るというので、ある程度放射線を浴びる、危険をともなう作業が予想される。一部ネットユーザーからは、
「行きたいわ。これからの娘たちの未来のために」「よし、応募する 大学の時に四年間も原子物理学を勉強したんだ、やっと活かす時がきた もし死んだら靖国に祀ってくれよ」「俺・・・行くことにした。お国のために飛び立つ第二次世界大戦の飛行士の気分だ」
といった声が上がっている。
「職も流れちゃったし行こうかな 2時間とか最高じゃん」など、時給の高さや勤務時間、ハードルの低い条件に魅力を感じる人もいるようだ。
募集をかけているクロテックによると、「27日の昼から求人を出し、すでに50~60件の応募があった」とのことだ。募集要項では「被災地現場作業」10人、「現場作業・作業管理者」2人の募集となっているが、具体的な業務内容、採用人数はゴールデンウィーク開けに決定していく。
「時給1万…安っぽい命だな」
東日本大震災後、原発に派遣される作業員が募集されるのは初めてではない。3月末には、愛知県の人材派遣業者が求人サイトを通じて、「短期でガッチリ稼げる仕事です。東北地方のかたのお手伝いをしに行こう!!」と、原発周辺の清掃作業員の募集をかけていた。
こちらの募集も時給1万円で、作業は防護服を身に着けて1日3時間。年齢、経験などは不問、雇用期間は「3か月の予定」となっており、
「福島の原子力発電所での仕事です。この言葉を聞いてイメージするものはいろいろあると思います。ですので今回は、~のためと割り切れる方の募集をお待ちしております」
という説明があった。締め切りは4月30日とされていたが、すでに採用人数に達したため募集が終了している。
ほかにも月給16万5000円~31万円で「ガレキの撤去作業」や「発電所内の機器メンテナンス」という内容の求人などがあった。
一方で、こうした募集に対し、
「これで行くやつは命を不要と思う奴くらいだろ」「命の価値は時給1万…安っぽい命だな」「ケタが足りない」「1日原発に拘束されて収入たったの2万かよ」
といった否定的な意見も多い。