高橋洋一の民主党ウォッチ
復興構想会議「船頭多くして」 結局財務省のやりたい放題

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東電の株主と債権者守ると国民負担が大きくなる

   実は、「官愚の国」では経産省のやりたい放題も書いた。東電の補償問題でも、やはり経産官僚が国民負担増加に向けて暗躍中だ。東電の福島原発事故での補償はいくらになるのかわからない。それにも関わらず補償問題の処理はどんどん検討されている。実際の避難民への対策より早く東電の補償問題が議論されることにも違和感があるが、さらに問題なのはその内容だ。

   補償は東電の問題なので、東電が負うべきだ。ただその額が巨額なので、政府も残りを負担せざるを得ない。となると、東電の負担が少ないと、その分国民負担が増えるという関係になる。

   資本市場のルールでは、東電の負担は株主、債権者、経営者、従業員になる。金額からいえば、前二者が大きい。ということは、東電の株主と債権者を守ると国民負担が大きくなるという構図だ。

   新聞で報道されている今の政府案は、東電を温存するという立場なので、国民負担が大きくなっている。それは、電気料金の値上げや増税で国民に跳ね返ってくるだろう。

   こんな時期に、復興財源での増税、東電問題での電気料金値上げということで、財務省や経産省がやりたい放題になっている。

   復興財源では、前回(「日銀引受は禁じ手」の虚妄 実は「毎年行われている」4月14日配信)で指摘した日銀引受の他に、埋蔵金が国債整理基金や労働保険などに15兆円ある。

   埋蔵金を指摘すると恒常的な財源でないと財政当局は批判してきたが、1回きりの今回のような大震災の復興財源としてふさわしい。これまでとりすぎているのだから、国民に返していいだろう。東電問題でも、電力事業を継続して東電を解体すれば、国民負担は少なくなる。

   官愚の国はこりごりだ。

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