GW旅客予約に回復傾向 格安プランを大量追加

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   東日本大震災後の自粛ムードの影響が心配されていたが、ゴールデンウィークに向け、航空や鉄道各社の旅客予約状況は回復傾向にある。

   そんな中、旅行会社各社はGWの駆け込み需要の取り込みに必死だ。

JAL「4月中旬から回復傾向」

   JTBは2011年4月18日、震災の影響で旅行の自粛や延期が相次いだ結果、GW期間中の旅行者数が前年比27.6%減の1609万人まで落ち込むという見通しを発表した。鉄道や航空各社が発表したGW期間中の予約状況を見ると、確かに落ち込んでいるが、GWに近づくに連れて回復傾向にあるという。

   JR6社が4月15日に発表したGW期間中の新幹線・在来線特急の予約状況では、指定の約657万席のうち予約されているのは前年比19%減の132万席だった。うち、東海道新幹線では約342万席のうち前年比25%減の約69万席。しかし、26日には約111万席まで増えた。

   JALが4月22日発表したGW期間中の予約状況によると、国内線の予約数は前年比76.2%の82万474人、国際線は75.8%の20万8486人だった。国内線では経営再建のため不採算路線の提供座席数を前年比約25%削減した中、予約率がわずか1.8%減にとどまっている。JALによれば、「震災の影響により予約の入りが例年よりも遅かったものの、4月中旬より回復傾向が見られた」という。

   ANAも「東日本大震災の影響は依然として残るものの、震災直後の春休み期間と比較して確実に需要は回復傾向」という。国内線の予約数は前年比90.4%の98万2619人、国際線は日並びの良さや各種需要喚起策の効果もあって108.8%の16万2267人となった。

   また、新規航空各社の予約数は、全社で前年を上回った。スカイマークは65.7%増、北海道国際航空は5.1%増、スターフライヤーは2.9%増、スカイネットアジア航空は2.3%増だった。

義援金付きツアーも

   旅行会社各社は、GW格安プランの売り出しに積極的だ。JTBやHISでは格安旅行プランをGW直前に大量追加し、楽天トラベルでは4月22日~5月9日まで、「怒濤のファイナルセール」として直前の大幅割引を実施している。

   被災地方面への呼び込みも強くなっており、旅行代金の一部が被災地に寄付される「義援金付きツアー」を販売する旅行会社も多い。回復してきたJALの国内線予約では沖縄、北海道方面に次いで、東北、北陸方面の予約率が高い。

   観光庁は2011年4月12日、震災以後、全国のホテルや旅館の宿泊予約のキャンセルが少なくとも約56万人と発表した。4、5月のツアー旅行予約については前年比20~45%減を見込んだ。そして、「経済萎縮させないために観光振興が必要」などと各都道府県や観光業界に呼びかけた。

   さらに4月21日には、官民合同による「国内旅行振興キャンペーン」を実施すると発表。「がんばろう!日本」を合い言葉に、国内旅行の振興を図るという。

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