「ほかの自治体でもできると思います」
政治資金に詳しい日大法学部の岩井奉信教授は、議員報酬半減について、「ほかの自治体でもできると思います」と見通しを語る。
「地方議会は、開催日数がそれほど長くありません。また、報酬も高く、たくさん議員がいます。財政状態が厳しい中で、それに見合った働きをしていない、報酬が高すぎるという声が強いわけです。名古屋はこうした面を初めて問題提起したもので、今後広がっていくと思います」
ただ、名古屋市議会では、半減すべき根拠を問われた減税日本の議員が、答えられずに議会が紛糾したことがあった。河村人気に依存している面があり、岩井教授は、「適切な報酬額はいくらなのか、きちっと考えて議論する必要があります。河村市長の看板がなくてもできるかも問われるでしょう」と言う。
議員の政治活動にはお金がかかる面もあり、岩井教授は「その点についても考えないといけません」と指摘する。
「議員は、プロかアマかどちらであるべきか、よく考えるべきです。プロなら、報酬は高い方がふさわしいでしょう。逆に、アマなら、専業でなく、報酬も安くて構わないわけです。議会を夜開くことも考えなければなりません。例えば、都道府県議はプロ、市町村議はアマという見方も可能です」
もっとも、報酬が低ければ、政治資金の流れがますます不透明になる恐れもある。議員は、政治資金パーティーで個人献金を集めたりすることになるが、岩井教授は、「不正があったり、手当でお手盛りをしたりしてはいけませんので、監視を強めないといけないでしょう」と言う。
公務員の給与削減については、「議員報酬を率先して下げることで、公務員も下げやすくなるはずです。その意味で、名古屋のケースは、1つのチャレンジであることは間違いないと思います」と話している。