企業のサーバーも「首都圏脱出」 データセンターへ相談急増

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   東日本大震災を機に、情報システムの災害対策を見直す企業が増えている。

   原発事故で夏の電力供給の先行きが不透明なことから、首都圏に情報システムを置く企業が、西日本など遠く離れたデータセンターへのサーバー設置を検討する動きもある。

NEC「問い合わせが震災前の5~6倍」

   日本電気(NEC)では震災以降、データセンターに関する企業からの問い合わせが5~6倍に増えている。中でも、企業が安全性確保のため自社のサーバーを預けるハウジングサービスへの問い合わせが多いという。

   データセンターは大規模災害時でも継続して運用できるよう、地震に強い構造となっており、停電時に備えた緊急自家発電装置も持つ。オフィス内にあるサーバーをデータセンターへ預ければ、被災や停電などのリスク対策となるほか、夏に向けた自社の節電対策にもなる。

   富士キメラ総研は4月15日、2015年のデータセンターサービス市場は2010年比25%増の1兆5022億円になるとの予測を発表したが、「震災により障害を受けた自社システムに脆弱性を感じている企業や輪番停電を避けるためにデータセンターへの移行を進める企業なども多く見受けられることから、市場は当初の予測を上回る」と見ている。

   ニーズの高まりを受け、日本ヒューレット・パッカードは4月20日から、顧客のIT機器の迅速な移設を支援する「HP移設サービス」の提供を開始している。

西日本へサーバー移設の検討相次ぐ

   東京電力は夏の計画停電を実施しない方針だが、。大量の電力を消費する事業所は使用電力の25%削減を求められ、データセンターの運営に影響が出る可能性もある。そうなれば、首都圏に情報システムを集中させている企業は、西日本などへサーバーを移設するなどの対策を考える必要が出てくる。

   関西2府4県の主要都市でデータセンターを運営するケイ・オプティコムは、「かなりの問い合わせがあり、いくつか具体的な交渉が進んでいる」と話す。さらに西、福岡にデータセンターを持つキューデンインフォコムも同じで、関東方面からのサーバー移設の検討が数多くあったという。NTT西日本でもやはり、事業継続計画(BCP)の観点からデータセンターの利用を考える企業から相談が数多く寄せられている。

   沖縄県と県内のデータセンター事業10社は支援連絡会をつくって、今回の震災で被災あるいは間接被害を受けた事業者に向けて、支援サービスを3か月間無償で提供している。ハウジングサービスを提供する名護市のクオリサイトテクノロジーズでは、夏のリスクに備えようという企業からの問い合わせが、東京を中心に関東から10件ほどあったという。

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