観客の顔が悪魔に見え、マイク持つ手が震える
デビュー当時はスタイリストが用意する清楚な服装が「『超』がつくほど不満だった」。現在は派手な服が好きなようで、「とうとう気が狂ったんじゃねえか?」と思われるくらいのコーディネートが最高なのだという。
また、パニック障害を発症していたことも告白。02年の全国ツアーのとき、観客の顔が突然悪魔に見え、マイクを持つ手がガタガタと震えた。ライブはなんとかこなしたが、その後も数回同じことがあり、パニック障害だと分かった。そのツアー以来発作は出ていないものの、今でもステージに立つと不安になると書いている。
自殺未遂の経験もある。活動を休止していたころ、「ただもう、死にたくなった」ので、自宅で、ウイスキーと一緒に睡眠薬と安定剤を大量に飲んだ。ただ、死体が腐るのは嫌だったので、母親と知人に「私、もう死ぬから」とメールを送っていた。駆けつけた2人に起こされ病院に運ばれたという。
意識は朦朧としていたものの自力で歩けたくらいなので大事にはならなかったが、以来自殺願望はなくなったとし「これからの人生は死のうなんて考えずに、買えるだけのシャネルを買って生きてやる! 死にたいという欲求が、物欲とさらなる生命力にシフトした」と綴っている。
「月と破片」にはその他にも、マネージャーの車のフロントガラスを素足で蹴破ったり、小さいころ生きた金魚の目玉を食べたりといった仰天エピソードが満載だ。新作アルバム「剣と楓」も、以前の様な神秘的な楽曲はもちろん、新感覚のテクノポップ調の曲もあり、バラエティ豊かな面白い作品に仕上がっている。