3・11大地震時の新宿高層ビル 大きく、ゆっくり13分揺れ続ける

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長周期地震動の影響を受けやすい建物は約1100棟

   長周期地震動の対策については、日本建築学会が地震発生前の3月4日、報告会を実施、その取り組みをまとめたばかりだった。報告では、東海、東南海、南海地震の3連動を想定した場合の超高層建物の揺れは、当初設計時に想定した地震動よりも相当長い時間大きく揺れる可能性が高いが、超高層建物群が崩壊することはほとんどない、としている。もっとも、揺れの度合は構造や設計時期などで建物ごとに異なるし、屋内にある家具や什器の移動や転倒が起きる可能性はある。

   今後の対策への提言では、既存の超高層建物について耐震診断を行い、被害が予想される場合は耐震補強を実施したり、高層建物の揺れを測る観測機器(加速度計)を屋内設置したりすることなどを挙げている。報告によると、長周期地震動の影響を受けやすい建物(高さ70~100メートル以上)は全国に約1100棟あるが、大きな構造被害が生じる建物は限定されるということだ。ある関係者は「長周期地震動は今回だけが特別というものではないが、これを機に古いビルなどでは対応を考える動きが出るかもしれない」と言う。

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