九電が原発再開で迷走 「計画停電」の可能性残る

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九電の動向が、他地区に波及する可能性も

   だが、それでも計画停電のリスクは残る。

   同日九電が発表した11年度の電力供給計画によると、夏の最大電力需要は1669万キロワット。この時に九電が保有している原発6基が全て稼働すると仮定した場合、供給力は1978万キロワットだ。8%~10%程度が適切だとされる供給力の余力を示す「予備率」は18.5%で、比較的余裕がある。ただし、川内原発の1号機は5月から7月にかけて定期点検が予定されている。

   さらに、福島第1原発の状況が悪化して玄海原発2、3号機の運転再開がさらに先送りになり、川内原発とあわせて計3基が使えなくなった場合、供給力は1728万キロワットにまで落ち込む見通しだ。予備率は3.5%で「綱渡り」状態に追い込まれる。仮に火力発電所への燃料供給が滞った場合、供給が需要に追いつかなくなり、計画停電という選択肢が再び浮上する可能性もある。

   いったんは延期を表明した九電の動向が、他地区に波及する可能性も指摘されている。例えば、関西電力では美浜原発1号機(福井県美浜町)の定期点検を4月上旬に終了する計画だったが、運転再開が遅れる可能性がある。さらに、四国電力では4月末から2か月程度、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の定期点検を予定しているが、運転再開が夏に間に合わなくなる可能性もある。

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