金は大台の1500ドル超で最高値
自動車の排気ガスの浄化触媒などに使われるプラチナの価格も高い。2011年4月20日のTOCOMのプラチナ先物は、12年2月物で前日比62円高の1グラムあたり4814円の高水準で取引を終えている。このところプラチナは、銀ほど急激な価格の変化はないが、もともと工業用として、また宝飾用のレアメタルとして注目されている。TOCOMは、「中国やインドの需要が旺盛なことから高い水準にあるようです」とみている。
田中貴金属工業によると、プラチナの現物価格は震災直後の3月17日の1グラムあたり4628円から、4月11日には5306円まで上昇していた。
一方、4月19日のニューヨーク市場の金先物取引は5日続伸し、取引の中心である6月物が前日比2.2ドル高の1オンス1495.1ドルで終えたが、一時は1500.5ドルまで上昇。過去最高値を更新するとともに、初めて1500ドルの大台を突破した。
TOCOMの金先物は4月20日、取引の中心である12年2月物が前日比48円高の4009円を付ける高水準で引けた。
リビア情勢の悪化や欧州の財政不安の再燃、日本の原発事故、中国など新興国のインフレ懸念に加えて、米格付け会社のスタンダード&プアーズが米国債を格下げしたことで、米国の景気先行きに対する不透明感が高まり、安全資産としての金が買われた。