原発事故、海外のメディア楽観視せず 日本政府と東電になお不信感

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   東京電力が福島第1原発1~3号機について、原子炉の「冷温停止」までに6~9カ月かかるとの工程表を2011年4月17日、発表した。米国からはクリントン国務長官が来日し、原発事故の収束に向け、全面支援する考えを表明した。政府も東電も、最悪の原発事故を鎮静化させるため、マスコミを通じて国民に最大限のメッセージを送ろうとしているが、それほど楽観はできない。

   海外メディアの報道を見る限り、国際評価尺度(INES)でチェルノブイリと並び最悪の「レベル7」となった東電の原発事故は、今なお深刻で予断を許さない。政府や東電に対する米国の不信も渦巻いている。

米側に日本への不信感がなお存在

   クリントン国務長官の来日について、ロイター通信は4月17日、「クリントン国務長官は5時間の滞在だったが、原発の周辺を除き、米国人が日本から立ち去る理由はないと述べた」と、同氏が日本の安全性を強調したことを伝えた。しかし、ニューヨークタイムズは「米原子力規制委員会(NRC)の専門家は日本国内でずっと東電と政府にアドバイスをしている。事故が起きた後、実際の放射能のレベルは日本の発表よりも高く、米政府は自国民に広範囲の避難を呼びかけた」と、米国側の経緯を説明。

   「クリントン氏は日本政府が十分に透明性をもって行動するならば、米国は日本が適切なステップを踏むために何をすべきか、支援を続けると述べた」と伝え、米側に日本への不信感がなお存在することをにおわせた。

   東電の福島第1原発事故は、史上最悪とされる1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故と同じレベル7となったが、経済産業省の原子力安全・保安院は「福島の放出量はチェルノブイリの約10分の1とみられる」と強調している。

   この楽観論についても、海外メディアの間では異論があるようだ。ニューヨークタイムズは「日本政府は放射性物質の警告レベルが上昇するにつれ、自己防衛的になっている」との批判記事を東京発で掲載した。

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