【フクシマ 苦悩の地はいま】 「村は安全」講演翌日に「計画的避難」  「みんなずっこけましたよ」

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自衛隊が探しにきたら裏山に隠れる

   幼い子どもを持つ家庭や若い世代は万一を考え早めに避難した方がよい。夫婦はこう考えている。近くに住んでいる長男夫婦と小学生の孫2人は、3月後半から福島県央地区へ「疎開」中だ。村から車で1時間以上かかるが、長男夫婦は村の自宅へ頻繁に戻り、牛の世話などをしている。

   強制ではなく罰則もない「計画的避難」。だから、一時村外へ退避しつつ、たまに自宅へ戻ったり、家族が村内外を交代で行き来して「家族のうち誰かは自宅にいる」。そんな家庭が年配者を中心に多いのでは、ハツノさんらは推測する。

   「お年寄りにとっては、避難所暮らしのストレスの方が放射能より危険なんじゃないか」という指摘も広く出ているそうだ。

   村には案外、こうした「割り切り派」の人もいるという。「絶対村から動きたくない。自衛隊が探しにきたら裏山に隠れる」という高齢者や、「一刻も早く全村避難を実行するべきだ。行政はオレたちを殺す気か」と周囲に発言している住民らもいる。

   村内では「までい」という方言をよく耳にする。2階建て村役場の階段踊り場の壁にも、「までい精神を子供たちに!」と横長の紙に書いた標語が貼っている。

   「までいに食べろよ」は「丁寧に食べて」といった意味だそうだ。

   「までい民宿どうげ」の連絡先は、電話0244・43・2937。「どうげ」は、民宿がある地区の旧称「同慶」がなまったものだそうだ。(文・J-CASTニュース編集部、写真・会田法行)

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