韓国で成功したビジネスモデルが日本で通用するか
A&Pは韓国で「ラッシュ・アンド・キャッシュ」のブランドで有人店舗を展開し、対面型の営業で貸し付けを増やしてきた。規制強化に伴う利益低下にあえぐ日本消費者金融大手各社が有人店舗を次々に閉鎖する中、リストラに出遅れた武富士は今も100店舗以上を持つ。管財人側は「A&Pのビジネスモデルは武富士の再生に生かせる」(関係者)と判断したようだ。
一方、Jトラストは、米ゴールドマン・サックス(GS)から資金支援を受ける計画だったが、業界ではGSの狙いは「武富士が持つ関西の不動産」(同)との見方がもっぱらだった。「武富士の事業再生に必要な資金を継続的に確保できるのか」(同)という懸念を払しょくできなかったことが、A&Pと明暗を分けた理由のようだ。
今後、武富士はA&Pのもとで事業を再生することになるが、40%台の高い貸付金利が認められている韓国で成功したA&Pのビジネスモデルが、規制強化が進む日本で通用するかは未知数だ。一方、過払い利息の返還請求を届け出た最大100万人の利用者への返還額は大幅カットされるとみられ、A&Pの事業計画が弁済率の極大化にどうつながるのか、管財人は納得のいく説明が求められそうだ。