震災影響ないのに「便乗解雇」 労組ホットラインに相談相次ぐ

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解雇前の休業補償もなく…

   派遣ユニオンによると、震災で部品が調達できないという会社側の言い分もあったが、被災地以外で部品調達できる可能性も否定できなかった。また、正社員の給料はそのままで、派遣社員を調整弁に使っているとみられるケースもあったという。

「事務所が決定的被害を受け、雇用調整しないといけないところまで追い込まれていないんですね。会社へのダメージを予見して、その予防のために切っているんだと思いますよ」(関根秀一郎書記長)

   2011年3月中は、会社から自宅待機を命じられたにもかかわらず、休業補償が出ないという相談が非常に多かった。労働基準法では、会社都合による休業は賃金の6割以上を支払う義務がある。

   ところが、4月に入ると、解雇された、派遣切りされたといった相談が増えてきた。関根書記長は、「会社側が様子を見て、雇用調整を始めたのではないか」とみている。

   休業補償もなく、そのまま解雇されたなら生活が大変だ。

   本来は、補償がすべての場合にカバーされることになる。会社都合ならもちろんだが、会社に直接被害があったときは、厚労省の特例措置で失業給付金が出るからだ。しかし、計画停電時は休業補償を支払わなくてもよいという通達が3月15日に厚労省から出されており、関根書記長は、「通達によって休業補償にすき間ができてしまい、救済されない人が増えた」と指摘する。そして、その撤回を求めているが、厚労省の監督課では、「会社側が自主的に支払っても、国の助成金が入る仕組みがある」と説明している。

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