深夜営業「法律が変わらない限り無理」
マルハン広報に聞くと、「店舗での電気の使用量のうち、半分はエアコンが占めています」という。そこで同社が節電対策として力を入れているのは、夏の間はホール内の温度を28度に調整するという点だ。エアコン設定を冷やし過ぎにしないよう各店で徹底していくという。照明をオフにしたり、照明の電灯をLED(発光ダイオード)に切り替えたりといった工夫も「従来以上に積極化します」(同社広報)。
もうひとつ、「目玉」として業界団体へ働きかけているのが「輪番休業」だ。現在は年中無休の営業だが、例えば店舗を指定して週1回休業させるという方法を考案。業界全体で足並みをそろえる必要があるため、同社だけで「単独行動」はできないが、業界各社で検討中とのことだ。実現すれば、マルハンだけでも従来比で20%の電力削減が期待できると説明する。
とはいえ、パチンコの消費電力に関する指摘は続いている。東京都副都知事の猪瀬直樹氏は2011年4月18日付のコラムで、パチンコ4000店の最大消費電力84万キロワットと、都営地下鉄と東京メトロを合わせた消費電力36万キロワットとを比較。さらにパチンコと飲料自動販売機の合計使用電力が「福島第1原発1号機の2基分(92万キロワット)以上」とつづった。また「半分冗談、半分本気」と断ったうえで、
「パチンコは電力消費の少ない夜間に営業するか、昼間はクーラーなしにするか、そのぐらいの提案を業界側がしてもよいのではないだろうか」
と提言した。
この内容についてマルハン広報に尋ねると、「まだ詳しく(コラムを)読んでいないので答えようがありません」と話す一方、深夜営業の可能性については「法律(風営法)が変わらない限りはどうしようもありません。これまでは『夜遅くまでパチンコをやるな』と言われておりましたので」と困惑した様子だった。