花粉症に発症した人が大幅に増え、発症者が日本人の約4割に――。そんな調査結果を、ウェザーニューズ社が明らかにした。花粉の猛威は、留まることを知らないようだ。
5月の連休が近づいても、街中ではマスクをかけた人を多く見かける。
ヒノキ花粉は、5月上旬の連休明けまで続く
これは、放射能怖さからばかりではないらしい。スギ花粉に続いて、ヒノキ花粉が2011年4月中旬に飛散のピークを迎えており、なかなかマスクを手放せないのだ。
ウェザーニューズでは、11年春の花粉飛散量は、前年に比べ関東で5~8倍、近畿で7~11倍になると予想していた。夏の猛暑による日照時間の増加で、スギの木が成長して雄花がたくさん付いたからだ。フタを開けると、11年3月末現在の飛散量は、関東、近畿ともに前年の5倍を観測した。
同社によると、飛散量は、局地的に多いところと少ないところがあるが、その増加ぶりでは、ほぼ当初の予想通りだという。3月中旬がピークだったスギ花粉は、4月いっぱいで終わる一方、ヒノキ花粉は、5月上旬の連休明けまで続き、さらに飛散量が積み増す見通しだ。
11年の特徴は、花粉症デビュー組が多くなっていることにある。
ウェザーニューズが4月7~10日に行った調査で携帯サイト利用者約2万3000人から寄せられた回答では、約8%の人が今シーズンから発症したと答えた。飛散増加で耐久量の限度を超えた人が多かったのが原因といい、昨シーズンからとの回答が約5%だったのに比べても多い。前年の調査では、約3割の人が花粉症であることを明かしており、単純に計算すると、今回のデビュー組を加えれば、約4割の人が花粉症であることになる。
つまり、発症者が日本人の3人に1人から、2人に1人にまで近づいているわけだ。
嵐・二宮和也も「花粉症」発症
今春のデビュー組には、ジャニーズタレントもおり、話題になっている。
人気アイドルグループ「嵐」メンバーの二宮和也さん(27)だ。
映画.comによると、二宮さんは、2011年4月18日の映画PRイベントあいさつで、こう悩みを打ち明けた。
「鼻声ですみません。周りといろいろ話し合った結果、どうやら花粉症になりました。ヒノキと相性がいいみたいで(笑)」
スギ・ヒノキ両花粉症を併発している人は、7~8割いるが、二宮さんはヒノキだけらしい。ウェザーニューズによると、花粉飛散が終わるのは連年通りかやや遅いといい、連休中も鼻詰まりに悩まされることになりそうだ。
花粉飛散量では、05年が「地獄」と言われたほど多かった。同社では、11年は同等かそれ以上とみており、局地的には過去最大のペースで増えているという。
実際、3月24日には、雨の影響で黄色い花粉が地面に筋状に積もり、それを放射性物質と勘違いして気象庁に問い合わせが200件以上も寄せられたほどだ。
花粉症に詳しい清澤眼科医院(東京都江東区)の清澤源弘院長は、「確かに、例年になく、今シーズンからの発症者が多いですね。世の中が不安定になっており、あらゆる意味で不安を抱え込んでいる人が多い感じがします」と話している。