「自粛ムード」どこまで響くか読み切れない
国際機関も、国際通貨基金(IMF)が4月11日、日本の2011年の成長率を1.4%と前回1月の予想から0.2ポイント下方修正し、「マクロ経済に与える影響は比較的小さいだろう」と分析しているほか、アジア開発銀行(ADB)が6日、2011年1.5%と2010年の3.9%から減速、2012年は1.8%に持ち直すとの予測を発表。
経済協力開発機構(OECD)は5日発表の世界の経済見通しで、「大震災の影響を現時点で織り込むのは不可能」として日本の成長率予測を見送ったが、4~6月期は成長率が0.5~1.4ポイント押し下げられる可能性があるとした。
こうした見通しの構成要素を考えてみると、震災の直接の影響である東北地方の経済活動の低迷と、ひとまず終了した東電の計画停電による生産減は、ある程度予測が可能だ。過剰な「自粛ムード」を含め消費者マインドの悪化による個人消費の減退については不確定要素が多く、どこまでGDPに響くか読み切れない。さらに、福島第1原発事故の被害、夏場の停電の影響がどこまで拡大するかは不透明で、「(現状の予測は)原発事故と電力不足の問題が今後数カ月で解決されると仮定したに過ぎない」(IMF)というように、各シンクタンクの見通しがばらついた大きな要因になっているようだ。