「野菜の産地はどこ」「水筒持参したい」 母親たちの放射能過敏

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   母親たちはいま放射能に過敏になっている。とりわけ、学校や保育園で口にする水、農産物が気にかかるようだ。お役所が安全宣言を出しても、教育委員会や学校、保育園などに問い合わせがかなり寄せられている。

   東京都の金町浄水場で、乳児(0歳)の暫定規制値を上回る放射性ヨウ素が検出されたのは2011年3月23日。それから2日後には規制値を下回り、3週間以上が経った4月15日現在、規制値を超える量の検出はない。一方で、一部の農作物については出荷、摂取制限が続いている。

「国の発表が信じられない」

   掲示板サイト「発言小町」では「水道水に放射性物質が含まれた経緯があるので水筒をもたせたい」「給食の牛乳を与えないでほしい」「給食の食材の産地を公表してほしい」といったことを学校側に要望した人がいた。

   千代田区教育委員会によると、保護者からは数件、水道水や給食の安全性についての問い合わせがあった。葛飾区や大田区の教育委員会も同様で、学校が始まる前には10件程度の連絡があり、その後も1日に1、2件ほどある。

   具体的には「水道水が気になるので、水筒を持参してよいか」「弁当を持たせてもよいか」「給食に出る野菜の産地はどこか」「出荷規制の出ている葉物野菜は、近隣のものも使わないでほしい」などだ。問い合わせる保護者の中には「国の発表が信じられない」という不信感を持っている人が少なくないという。

   千代田区教委は、給食で使用する野菜は産地を確認し、制限のある野菜は使わない、調理には水道水を利用する、旨を各校に指示。水道水については「持参の必要はない」としており、どうしても持参したい場合は学校の判断となっている。

   葛飾区、大田区教委の場合もおおむねこれと同じだ。葛飾区では、水道水に規制値を超えるヨウ素が検出されたら、学校給食をやめ、午後休にするなども伝えてあるという。

乳児にはペットボトル水で対応する保育園も

   保育園や幼稚園の場合、とくに水への関心が高い。千代田区にある私立保育園では4月4日まではペットボトル入りの水で対応したが、それ以降は水道水を使用している。ただ、乳児(0歳)の親からは持参するペットボトル入りの水を使ってほしいという要望が多く、個別に応じている。武蔵野市にある東京都認証保育所では、乳児にはペットボトルの水、1歳以上の子は水道水。水筒の持ち込みもできるが、保護者には園の状況などを細かく説明し、持ち込む子はいないと言う。また、墨田区の認証保育所でも3月28日から水道水を利用し、気になる人には水筒の持参を認めている。

   水筒の持参については、ネット書き込みを見ると、「娘の小学校では、水道の水が心配だからと、水筒持参の子が何人かいる」「息子によると(幼稚園の)クラスで水筒を持ってきてるのは3名だそうです」などとあった。

   1歳以上の子どもで水筒を持参する例は少ないようだが、「水道水の安全性が問われてるのだから、水筒持参は自由にすればいい」「各家庭の判断に委ねる。それでいいと思う」という意見も出ている。

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