250度まで温度上昇、計器故障の疑いも
心配の種はまだある。3号機では、圧力容器内で急激な温度上昇が認められたのだ。経済産業省の原子力・安全保安院によると、圧力容器の上のふたと容器の接続部分で、4月12日にはほぼ正常温度の170度だったが14日には約250度に達した。原因は不明だが、保安院では計器の故障の疑いもあると指摘した。
接続部の温度は約300度まで耐えられる設計のため、ただちに危険な状態に陥ることはないと保安院は説明するが、明確な原因が判明していないだけに不安も残る。
4号機も決して安泰ではない。3月11日の地震発生時に定期点検中だったため圧力容器内に燃料棒はなかったが、貯蔵プールに入っている核燃料の状態が気がかりだ。3月15日に爆発と火災で建屋が壊れ、プールがむき出しになっているためだ。
東電は4月13日、4号機のプールの水を分析した結果を公表し、通常より高い値の放射性物質が検出されたとした。「一部の燃料が破損しているが、大部分は健全ではないかと推測している」と東電は話すが、1~3号機の原子炉同様4号機の貯蔵プールも常に注水を続けて冷やし続けないと、大量の放射性物質が放出される危険性は今も回避できていない。