【被災地はいま】4月14日 途方に暮れている暇なんてないよ

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   せり人・佐々木憲司さんの威勢のよい声が岩手県宮古市の宮古市魚市場に響き渡った。震災で壊滅的な被害を受けた同市場は被災地の他の魚市場に先駆け競りを再開して4日目。底引き船11隻が帰港した午後2時すぎには、水揚げしたスケソウダラやキンキ、カレイなどが並んだ。

「途方に暮れている暇なんてないよ。宮古市は、市場が活気づかないと街全体が活気づかないんだから。復興の第一歩は魚市場から」。

   佐々木さんは言う。震災直後から、津波で流された魚を入れる容器などを回収するため走り回った。市場の柱と屋根が残っていたことや、氷の在庫800トンが被害を免れたことも幸いした。市や県など行政のバックアップもあり、早期再開にこぎ着けた。

   「大船渡や山田など魚市場の再開のめどがたたない宮古周辺の港の生産者にも来てもらい、沿岸部が一体となっていければ」と宮古漁業協同組合の佐々木隆参事。

   宮古市魚市場の14日の水揚げは約30トン。まだまだ大漁とはいえない船が魚と共に港へ持ち帰るものがある。網に引っかかる津波で流された大量の松やゴミだ。それらのゴミは海上投棄することなく、陸へ持ち帰り、廃棄処分しているという。

   宝の海をきれいに再生しつつ、宮古市は復興への第一歩を力強く踏みだした。(カメラマン・会田法行)

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