市は、方針トーンダウンを否定
福島県の災害廃棄物について、基準はあるのか。あるいは、川崎市はなんらかの基準を設けて処理するのか。
同市環境局の施設部長は、取材に対し、「そんな計画は一切ありません」といきなり切り出した。その理由については、次のように説明する。
「現地における廃棄物の処理計画が立っていませんので、支援する状況ではありません。まず、現地では、避難所への対応が最優先になります。廃棄物処理は、次の段階ということです」
汚染されていないことを確認しなければならないのも、ネックになるという。
基準内であっても処理すべきでないとする武田邦彦教授の意見については、「専門家の方が見識を持って発言したことだと思いますので、どうこう言える立場ではありません」と言う。
市長はこれまでの実績や、がれき処理が大きな問題となっていることもあり、処理したいと意欲的だった。それなのに、批判を受けたので方針が事実上トーンダウンしてしまったのか。
この点について、施設部長は、「方針が後退したわけではありません」と否定した。
市では、サイト上で、放射能を帯びた廃棄物は処理しないことを説明。それとともに、Q&Aコーナーを設けて、受け入れは決定事項でないことを強調するなど、火消しに躍起な様子だ。