自分の薬をよく知っていれば安心
いったん中断して薬が届いたような場合、「再開時に注意が必要な薬」もある。ショックの可能性のある抗結核薬のリファンピシン、少量から徐々に増やしたほうが良い抗うつ剤や甲状腺ホルモン剤などだ。
「絶食で危険な薬」というのもある。統合失調症や三環系うつ病薬などは体の脂肪組織に蓄積されており、食事量が不足して脂肪が使われると、薬が血液中に出て高濃度になってしまうという。
「中断しても大丈夫な薬」は、合併症のない人の降圧剤のほか、花粉症、認知症、肝臓病、インスリン以外の糖尿病薬、骨そしょう症薬、ビタミン剤などだ。
応援の医師が個別の病気をすべてよく知っているとは限らない。患者やその家族が、日ごろ飲んでいる薬の分類や効能を理解しておくことも大事な震災対策だ。
医療ジャーナリスト・田辺功
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日本高血圧学会はホームページに「被災地の高血圧患者さん向けQ&A」コーナーを設けて最寄りの医療機関、関係者に相談するよう呼びかけている。