法務省「規制強化の批判は当たらない」
孫正義社長らの抗議行動は、逆に法案への誤解を与えるある種のデマになるのでは、との見方も出ているようだ。
これに対し、孫社長は、そうした見方については知っていることを示唆しながら、スト前にツイッターでこうつぶやいた。
「私なんて間違えてデマRTした事何度もある。これからは、確認取るのも大変? これから何回逮捕されるのか? 確証ない時は毎回????」
さらに、上杉隆さんも、「デマではないのでは」と反論している。「日付ではなく法案の中身の問題。閣議決定は法制化への一歩。民主主義に逆行するこの種の決定とは、断じて戦わなければならない」というのだ。
ネット規制強化だという批判については、国はどう考えるのか。
法務省の刑事法制管理官室では、関連法案にはウイルス作成罪整備などの狙いがあるとして、「批判は当たらないと考えています」と反論する。孫社長の抗議ストについては、「個人のことはコメントできません」としながらも、「コンピューターの監視を強めるのではなく、むしろ保護するものだと考えています」と主張。関連法案については、「サイバー刑法」などと呼んでいるという。
利用者の通信記録保全については、名誉毀損行為や児童ポルノ公開などのサイバー犯罪を摘発するために刑事手続きとして整備することにしたとする。一方、捜査当局が通信事業者に対して暫定的に通信記録を消さないよう求めることができることは認めた。しかし、拒否しても罰則はなく、保全した通信記録についても、当局が取得するには令状が必要になるという。
警察庁のデマ規制強化については、同室では「まったく関係はありません」と言っている。孫社長はツイッターで、政府は法案を通してしまったと英語でつぶやいているが、国会に提出されただけでまだ審議も始まっていないという。
こうした反論にどう考えるかについて、ソフトバンクの広報室では、「孫が個人としてツイッターで発言したことですので、会社としてのコメントは特にありません」と答えるのみだった。