「中国にいながら日本政治家の行動を批判してはいけない」
大地震が発生してから一か月たち、菅内閣への不信感を示した日本のマスコミの報道を、中国のインターネットでも転載するようになった。
「私たちは中国にいながら日本政治家の行動を批判したりしてはいけない。また日本の事故処理、復興活動をかく乱するような行動をしてはいけない。ただし、日本のマスコミが菅内閣を批判するような記事も作者の同意を得て翻訳して掲載している」
と週刊誌経済観察報のウェブサイトの責任者は言う。
日本の週刊誌編集長による、菅内閣を痛烈に批判する記事は同ウェブサイトには出ている。しかし、中国人記者の書いた記事は、どちらかといえば日本に同情するような内容ばかりだ。
ただし、人気週刊誌の『南方週末』の国際面担当デスクは、
「14日に出る新聞は民主党内閣の欠点にも触れていく」
と明かす。
また同じく人気経済週刊誌の『中国経営報』は、
「日本の技術はいままで非常に信頼されていた。その日本にこんな大きな原子力発関連の事故が起こり、またほとんど制御不能のように感じる。なぜ日本はここまでダメになったのかを分析してみたい」
と語る。18日の週に出る号はそのあたりが盛り込まれる予定だ。
いままでは「日本で起こった地震災害は、人類共通の災害」というスタンスを中国のマスコミは取っていた。国内で大地震が起きたのとほぼ同様な報道の仕方だ。日本国内での民主党政権批判報道も中国には入ってきている。中国の東日本大地震、原発事故についての同情的な態度は、ずっと不変とは限らない。それが変わると、一斉に日本批判に変わるかもしれない。
日中のコミュニケーションはますます重要になってくる。