「すぐに往診してくれる体制を」―岩手県大槌町

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(12日大槌発=ゆいっこ花巻支部;増子義久)

   あの大災害からちょうど1カ月目の11日午後9時過ぎ、夜の早い避難所のしじまを破るような救急車のサイレンの音。飛び起きて階下の部屋に向かう。お年寄りの男性が布団の上で苦しそうにもがいている。救急隊員の手で担架に乗せられ、県立釜石病院へ。

   昔の漁の話を聞くなどして親しくしていた阿部山延巖さん(75)だった。家を流されたため、奥さんの洋子さん(64)と避難所生活を送っている。約20年前に糖尿病を患い、1日に3回のインシュリンが欠かせない。避難所でもきちんと注射を打ってきたが、この日は血糖値が「32」に急降下。放置していたら命にかかわる危険値に達していた。幸い、発見が早かったため、入院までには至らなかった。

   同じ避難所にいる看護婦の田中惠子さん(57)は「糖尿病患者にとって最も大事なのは食事管理。避難所生活が長引き、食事のバランスが崩れている。特に野菜不足が深刻。糖尿病のほか心臓などに持病をもっている被災者も多い」と話す。

   常駐していた大阪市立大学の医療班は10日をもって撤退。13日に自衛隊の医療班が巡回診療に来ることになっているが、その後の体制はまだ決まっていない。1カ月の節目の救急車の出動騒ぎ。医療体制の確立はまさに喫緊の課題となっている。「大阪の先生がいた時は毎日、診察をしてもらっていた。すぐに往診してくれる体制を早急に作ってほしい」と妻の洋子さんは訴えている。


(写真は救急車で運ばれる阿部山さん=11日午後9時半ごろ、安渡小学校で)



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