【被災地はいま】4月11日 「もう物欲なんてなくなってしまったよ」

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   東日本大震災から1か月を迎えた11日、岩手県陸前高田市の市立高田一中の体育館では、避難生活をおくる住民らが犠牲者へ黙祷をささげた。同校で避難生活を送る大内多希子さん(69)は、「さまざまな援助に心から感謝している」と話しながらも、職場を失った息子の将来について不安をもらす。

「親が職を失ったら、その子どもたちの未来だって…」。

   一方で、同中学校の敷地内に建てられた仮設住宅で新たな一歩を踏みだした家族もいた。久納豊さん(63)は妻京子さん(63)と母久子さん(86)と共に今日から生活を始めた。

   地震発生時、京子さんが背負って一緒に避難したという孫娘の燕ちゃんも仮設住宅を訪ね、一緒に初めての昼食。京子さんは、「この震災で世界が変わってしまった。もう物欲なんてなくなってしまったよ」と気丈に笑う。久子さんは、「今まで避難生活をしていた公民館が家庭的な雰囲気だったので少し寂しい」と言いながらも、「やっとぐっすり眠れる」とホッとした表情。

   震災から1か月。被災者のみなさんにとっては何の節目にもなっていないかもしれない。それでも、被災者のみなさんがみせる優しさや強さは、被災地の、日本の未来に希望を抱かせてくれるものだった。(カメラマン・会田法行)

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