統一地方選前半戦は民主惨敗の幕開けとなった。東日本大震災発生を受け、ひとまず棚上げされていた「菅政権4月危機」説だが、あまりの敗北ぶりに「復活」した形だ。
「沈黙」を続ける小沢一郎・元民主党代表の周辺が、「菅降ろし」発動のタイミングをはかっているとの見方も広がる中、野党も「菅抜き大連立」を視野に水面下で動き始めた模様だ。
対決型知事選で民主全敗
2011年4月10日に投開票された「前半戦」で、民主党は道府県議選の獲得議席数で自民党を大きく下回ったほか、民主と自民の対決型3知事選で全敗するなど惨敗した。しかも、3知事選のうち北海道は鳩山由紀夫・前首相の、三重県は岡田克也・幹事長の地元だ。民主都議団が飲食チェーン「ワタミ」前会長、渡邉美樹氏を支援し敗北した東京は、菅直人首相のお膝元だ。いずれも「党の顔」の地で敗北を喫したわけだ。
「菅政権に震災対応のハンドリングを任せて大丈夫なのか、と示された」。3知事選の民主敗北を受け、自民の石原伸晃幹事長は4月10日夜、NHKの開票速報で有権者の判断をこう解説した。
また、大連立については、党と党との信頼関係が大切だと指摘した上で、現状はそうした信頼関係があるとは「到底思えない」と否定的な考えを示した。公明党の山口那津男代表も10日夜、「連立を組むのは難しい」と記者団に語った。
「野党 倒閣うかがう くすぶる『菅抜き大連立』」(毎日新聞)、「自民『菅降ろし』見極め」(日本経済新聞)、「野党 『菅降ろし』号砲」(産経新聞)――4月11日付の各紙朝刊は、こうした見出しが並んだ。
大連立を組むのは、菅政権下では難しいが、「菅降ろし」が前提なら野党側が話に乗ってくる可能性があるという見立てが広がっているようだ。