雨の影響で放射線量微増 北関東や北陸でやや大きく

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   福島第1原子力発電所の事故による大気中の放射線量について、北陸と北関東で、微減傾向が微増に転じたことが分かった。背景には降雨の影響がありそうだ。

   変化が見られたのは、文部科学省が連日発表している全国の「環境放射能水準調査」だ。

水道水の放射線量にはわずかに影響?

   首都圏では2011年4月9日午前、ところによって小雨がぱらついた。神奈川県川崎市ではお昼前、傘をさして歩く人の姿も見られた。東京都新宿区では10時から正午にかけて放射線量は毎時0.085マイクロシーベルトで、前後と比べるとほんのわずかに増えた。

   北関東では、増加の幅が都内と比べて大きかった。8~9時の茨城県水戸市では同0.157マイクロシーベルト、栃木県宇都宮市では同0.080マイクロシーベルトだ。気象庁のウェブサイトを見ると、いずれも9時の時点で天気は雨。宇都宮では2.5ミリの降水量を記録した。天候が回復した4月10日の同時刻を見ると、水戸市は同0.149マイクロシーベルト、宇都宮市は同0.075マイクロシーベルトと前日比で減少となった。

   北陸はさらに、増加の幅が大きい。4月9日7~8時、石川県金沢市の放射線量は毎時0.058マイクロシーベルト、福井県福井市は同0.055マイクロシーベルトとなっている。いずれの地域も当時の天気は雨。4月10日の天気は晴れとなり、朝7~8時は金沢市が同0.048マイクロシーベルト、福井市が0.046マイクロシーベルトと、やはり減っている。

   微増を記録したとはいえ、これらの地域の数値は「過去の平常値の範囲」を超えているわけではない。しかし3月23日には、雨が一因となって都内の浄水場から乳児の飲用に関する暫定規制値を上回る放射性ヨウ素が検出され、関東の他の地域でも同様のケースが見られており、水道水に含まれる放射性物質の数値にも注意した方がよさそうだ。

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