高層階の住人は「立っていられないほどの揺れ」
一方、夏場に向けて、東電による計画停電の影響を心配する声が上がっている。エレベーターやインターホン、セキュリティシステムなど多くが電気で稼働する。1日3時間ほどとはいえ、停電すればこうしたシステムがすべて止まってしまう。お年寄りや子どもには、階段を使って10階、20階まではつらすぎる。
地震に対する心理的な不安もある。建物の構造にもよるが、高層階(地上20階以上)では体感震度が「プラス1」加わるとされる。東日本大震災の東京圏の震度は、おおむね震度5弱。高層マンションの住人は震度6弱になり、立っていられないほどの揺れを経験。相当に怖い思いをしたようだ。
こうしたことから、湾岸エリアの高層マンションの人気が低下する可能性はある。みずほ証券の石澤卓志氏は、「賃貸物件への影響は軽微でも、分譲となると躊躇する人は出てくるでしょう」と話している。