入学や新学期を迎えた小、中学生や高校生らに向け首相と文部科学相の連名で発表されたメッセージが好評のようだ。インターネット上で「よく練られている」などと評されている。
「何を言いたいのか、思いが伝わってこない」との不評の声も多かったこれまでの菅直人首相の震災関連会見内容と比べ、一転した印象をもった人も少なくないようだ。ネットのツイッターでは「良くできてるけど、これは菅さん本人が書いたもんじゃないだろう」といった声もある。
宮沢賢治の作品を引用
2011年4月6日、東京都内の多くの公立小、中学校で始業式があったこの日、菅首相と高木義明・文科相の連名で、新学期を迎える子どもたちへのメッセージが発表された。中高生用のものと、小学生向けの2種類があり、官邸と文科省のサイトに掲載している。文科省サイトでは、高木文科相がメッセージを読み上げる動画もある。
2種類のメッセージは、共通部分もある。中・高校生用は、約1800字のメッセージだ。小学生用には、漢字に読み仮名をふっている。
共通部分では、避難所の中で食事の準備やお年寄りたちの手助けをする子どもたちがいるという話を「たくさん」聞いているとして、「本当にありがとう」と書いている。
また、小学生用では、被災地域以外の子どもたちも節電や募金に取り組んでいるとして、「みなさんのその思いやりがあれば、日本はきっと、もっともっと素晴らしい国になって、もう一度立ち上がります」(原文はルビあり)などとしている。
中高生用は、岩手県出身の宮沢賢治の作品を引用しつつ、「賢治の言う『ほんとうのさいわい』とは何でしょう。この大きな災害と混乱の中で、皆さんに、このことを考えて欲しいのです」と呼びかけている。