原発事故で米当局が調査報告書 注水で格納容器破裂のリスク?

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「使用済み核燃料貯蔵プールの方がリスクが高い」

   それ以外にも報告書では、再臨界を避けるためにホウ素(ボロン)の投入を続けるように求めている。ただし、現時点では再臨界の兆候は確認できていないとしている。

   作業員の安全についても言及されている。報告書では、核燃料の破片や粒子が最大1マイル(約1.6キロメートル)吹き飛ばされたことを示唆。「作業者を守るために、建屋と建屋の間に落ちた高濃度放射性物質はブルドーザーで除去されるべきであった」と指摘しだ。

   さらに、「炉心溶融よりも、原子炉建屋内の使用済み核燃料貯蔵プールの方がリスクが高い」とも指摘。報告書では、3月15日に4号機で水素爆発が起こった時に、プールから大量の放射性物質が環境に放出された可能性があるとみている。建屋上部が吹き飛んでいることから、プールの放射性物質は直接外気にさらされている一方、原子炉では、炉心溶融で発生する放射線が強固な格納容器に密封されていることが理由だ。

   かつて日本向けの原子炉を設計した、元米ゼネラル・エレクトリック(GE)社の技術者は、ニューヨーク・タイムズ紙の記事中で、

「将来的に切り抜けるべき不安要素は沢山あるが、ひとつ間違うと事態が大幅に悪化する」

と、厳しい現状認識を披露している。

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