鉄鋼業界は「輪番は困難」との考えで一致
自動車業界は各社の工場を曜日ごとに「輪番」で稼働する案を軸に検討を進めている。今は主に週末に各社一斉休むことが多いが、例えばトヨタは日月曜日、日産は火水曜日、ホンダは木金曜日……を休業という風に順番に休めば、確実に需要を抑制できることになる。ただ「東電エリアに生産設備がほとんどないトヨタやマツダがどうやって付き合うのか」という調整課題は残る。
電機業界も輪番停電を検討している、と一部で報じられたが、自動車業界ほどにはまとまっていないようだ。半導体のように一度止めると再稼働まで1週間程度かかる工場もあるため、なかなか意思統一が難しいのだ。
いったん止めた高炉をフル生産に戻すのに数日かかる鉄鋼業界も「輪番は困難」との考えで一致しており、昼間の操業率を抑えて夜間操業に振りかえることで何とかできないか、と検討している。
一方、化学業界は自家発電設備が充実しており、東電に頼らなくてもいいという。CO2を排出し放題になるという問題はあるが、これはもう目をつぶるということだろう。
夏場に腐りやすい食品も扱う流通業界の悩みも深い。照明は落とせるが、冷蔵設備を切るのは難しいため、対応に頭を抱えているのが現状だ。
各業界とも4月中に対応策をまとめる考えだが、全体としてピークに25%抑制できる方策を打ち出せるかどうか、困難な道のりになりそうだ。