「地元の人間にしてみれば、何を今更」
気象庁の火山課によると、2011年4月5日2時半ごろの映像で確認できる赤い炎は硫黄が燃焼しているもので、白い煙は水蒸気と見られるという。吾妻山では、2008年11月に白い煙が出ているのが確認され、300メートルもの高さにまで上った。硫黄の燃焼も2010年5月に確認され、以来度々同じような現象があったという。
現在、噴火警戒レベルは最も低い1。火山活動は「静穏」というレベルだ。吾妻山は2007年12月に気象庁が噴火警戒レベルを導入して以来、ずっと1のままだという。気象庁火山課の担当者は
「1893年の噴火で死者が出ましたが、吾妻山では歴史に残っている限り、それ以外で人的被害の出るような噴火は起きていません。以前もあった現象ですし、警戒レベルの引き上げも考えていません。絶対安心ということはないですし、引き続き注視していきますが、被害が出るような噴火が起きる状況ではないと見ています」
と話している。
福島県商工観光部観光課によると、地震後、地元で「吾妻山が噴火するのでは」といった声は特に挙がっていないという。ツイッターでも「地元の人間にしてみれば、何を今更」「福島市民だが、吾妻山はずっと前からあんなもんだ」といった呟きがあった。
ただ、今回の大震災の影響が全くないという訳ではない。吾妻山を通る観光有料道路、磐梯吾妻スカイラインの再開通が延期になった。管理している福島県道路公社のサイトでは、地震後除雪機械や燃料の調達が困難になっており、再開通日は当面未定だと説明している。